半径5cm、弧の長さが4πcmである扇形の面積を求めなさい。
これは、中1がこの時期に学習する平面図形の問題の一例です。このように、中心角が出ていない扇形の場合、まずは中止角を求めるのが通常の解き方になります。
中心角をxとおくと、
2×5×π×(x/360)=4π
これを解くとx=144
よって、求める面積は 52×π×(144/360)=10π 10πcm2
このようにして、一度中心角を出してから計算するのは、少々手間がかかります。
しかし、実はこの問題をはるかに簡単に解くことのできる公式が存在します。
それは、扇形の面積をS、弧の長さをl、半径をrとおくと、
S=l×r÷2 (S=lr/2)
これだけです。
上の問題で試してみると、
S=l×r÷2
=4π×5÷2
=10π 10πcm2
このように、全く同じ答えになることが分かります。
学校では教えてくれたりくれなかったりとまちまちなようですが、これを頭に入れておくと平面図形の問題だけではなく、空間図形の円錐の表面積を求めるときなどにも非常に役立つので、覚えておくとよいでしょう。
なお、以下はなぜこれが成り立つかの証明になります。
(証明)
扇形の面積をS、弧の長さをl、半径をr、中心角をxとおくと、
l=2πr×(x/360)
S=πr2×(x/360)
したがって、
l×r÷2=2πr×(x/360)×r÷2
=πr2×(x/360)
=S
以上より、S=l×r÷2が成り立つ
(証明終わり)