みなさんこんにちはピックアップ岩塚校の郷です。
夏の夜空を彩る花火。見上げるだけで、なんだか心が高鳴りますよね。でも、その美しさの裏には意外と知られていない工夫や歴史が隠されています。
たとえば、日本の花火は丸く広がり、まるで空に大きな花が咲くような形が特徴的です。これは観客が間近で楽しめるように、半球状に開くよう設計されているためです。反対に海外の花火は遠くから見えるように、より高く、上に向かって大きく広がるよう工夫されています。日本と海外では「見せ方」の違いがあるんですね。
花火を見ていると、どこからか「たまや〜!」「かぎや〜!」という掛け声が聞こえることもあります。これは江戸時代、花火師の「玉屋」と「鍵屋」が腕を競っていた時代の名残。観客が「どっちがきれいか」と声をかけていたんです。ちなみに、今も続いているのは「鍵屋」の方の流れです。
では、あのカラフルな色はどうやって出しているのでしょう?実は色ごとに異なる金属が使われています。赤はストロンチウム、緑はバリウム、青は銅など。特に青色は発色が難しく、職人の腕の見せどころでもあるんです。だからこそ、青い花火が打ち上がるとちょっと特別な気分になります。
そもそも花火大会がなぜ夏に多いのかというと、湿気があることで花火の煙が散りにくく、色がくっきり見えるという理由もありますが、実は江戸時代の「疫病退散」の風習から始まったという説もあります。隅田川の花火大会もその名残のひとつです。
そして、見た目だけでなく中身もすごいんです。花火玉の中には「星」と呼ばれる火薬の粒がびっしり詰まっていて、その並べ方で模様や形が決まります。一発の花火が夜空で美しく咲くまでには、何ヶ月もかけて作られる緻密な芸術なのです。
こうして知ってみると、ただ「きれい」で終わらない花火の世界。今年の夏は少しだけ目線を変えて、打ち上げられたその一発に込められた技や歴史を感じながら、夜空を見上げてみませんか?