東郷町・日進市の個別指導塾
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日進東郷校担当の服部です。
今回の頭の体操は、かなりの論理的思考力が求められます。
では、いってみましょう。
AくんとBさん、そして先生がいる。AくんとBさんは、ともに先生の誕生日を知らない。
そこで、先生は「私の誕生日をx月y日とすると、yはx以下の数字です」と前置きしたうえで、Aくんにはyの値(誕生日の日付)を、Bさんにはxの値(誕生月)を教えた。
すると、二人はこんなやり取りを始めた。
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」
Bさん「なるほど、これで私も先生の誕生日が分かったよ」
AくんとBさんは二人とも極めて論理的な思考力を持っており、かつ嘘はつかないものとする。
このとき、先生の誕生日は何月何日だろうか?
さて、一見すると同じ言葉を繰り返しているだけでなんの意味もないように見える会話ですが、いったいどのようにして先生の誕生日は特定されたのでしょうか。
以下はヒントです(反転して見てください)。
ヒント①:「誕生日をx月y日とすると、yはx以下の数字」というヒントから、まずはある程度絞り込むことができます。
ヒント②:AくんやBさんが聞いたものが『ある特定の数字』だった場合、二人は一瞬で先生の誕生日を特定することができます。そこから踏み込んで、「なぜ相手の聞いた数字がその特定の数字ではないことをAくん(Bさん)が断言できるのか」を考えます
ヒント③:Aくんが聞いた数字が「1」だったら? Bさんが聞いた数字が「12」だったら?
それでは、正解発表です。
先生の誕生日は、ずばり7月7日です。
いったいなぜ、Aくんたちはそれが特定できたのでしょうか?
それは、「Bさん(Aくん)は先生の誕生日が分からないよ」という一見無意味な言葉に重大なヒントが隠されているからです。
まず、一番最初にAくんが「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」と発言したところから。Aくんは先生の誕生日の日付だけを聞いて、Bさんには先生の誕生日が分からないことを見抜きました。
ここで、逆にBさんが一発で誕生日を特定できる場合を考えてみましょう。
Bさんが瞬間的に先生の誕生日を特定できる場合——それはBさんの教えられた月が「1月」だった場合です。「誕生月≧日付」という制約があるため、Bさんは「1月」と伝えられた時点で誕生日が「1月1日」であると断定することができます。
つまり、逆説的に言うと、Aくんは先生の誕生日の日付を知った段階で、Bさんが教えられた誕生月が『1月ではない』と分かったということになります。
なぜか? それは、「Aくんの教えられた数字が『1』ではなかった」からです。Aくんの教えられた数字が「2」以上だった場合、Bさんの教えられた誕生月が「1」であることはありえません。
すなわち、Aくんは「僕の聞いた数字は1ではない。つまり、Bさんの聞いた数字も1ではない。ということは、Bさんは先生の誕生日を特定できない」と考えた末に発言したことになります。
さらに突き詰めて考えると、上のことから、Aくんは「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」と言うことにより、「僕が聞いた日付は1日ではないよ」ということを暗に主張していることにもなります。
続いて、それに対するBさんの発言です。
同様に考えていくと、Aくんが先生の誕生日を一発で特定できるのは、Aくんの聞いた数字が「12日」だった場合です。このとき、先生の誕生日は「12月12日」ただ一択になります。
しかし、Bさんが「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」と言ったということは、Aくんの聞いたのが「12日ではない」と断定したということ―—すなわち、Bさんの聞いた月が12月ではないということです。
さらに、それに対するAくんの発言。
既に誕生日が「○月1日」の可能性は消えているので、もしもBさんが「2月」ということを聞いていたら、先生の誕生日は「2月2日」で確定します。しかし、その可能性がないとAくんが断定できるということは、やはりこれまでと同様Aくんの聞いた日付が「2日」ではないということになります。
このようにして順々に可能性を消去していくと、
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」→1日、1月ではない
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」→12月、12日ではない
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」→2日、2月ではない
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」→11月、11日ではない
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」→3日、3月ではない
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」→10月、10日ではない
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」→4日、4月ではない
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」→9月、9日ではない
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」→5日、5月ではない
Bさん「Aくんは先生の誕生日が分からないよ」→8月、8日ではない
Aくん「Bさんは先生の誕生日が分からないよ」→6日、6月ではない
このように、消去法で一つ一つの可能性が消えていった結果、残ったのは「7月7日」ただ一つとなります。
ちなみに、Aくんは誕生月が8月ではないと分かった時点で既に先生の誕生日を特定していた(6月7日はありえないため)ので、Bさんにも分からせてあげるために最後の発言をしたことになります。
だから、Bさんは最後に「私『も』分かった」と言ったんですね。
(出典:https://sist8.com/claris)